0歳代の育児は、あっという間に1日が終わってしまいます。
「今日は何をしてあげられたかな?」
そう振り返るたびに、できなかったことばかり思い出して、少し落ち込んでしまう日もありました。
そんなとき、私を助けてくれたのが、「観察メモ」という小さな習慣です。
「何をさせたか」より「何を見ていたか」を残す
観察メモで書き残すのは、立派な出来事ではなく、こんな小さなことです。
- コンビカーで段差を何度も上り下りしていた
- 落ち葉を1枚ずつ裏返して、じっと眺めていた
- 服とおもちゃの色を見比べて、「同じ」を確かめていた
どれも、誰かに自慢するような「できた!」ではありません。
でも、こうして言葉にしてみると、
- 違いを比べている
- 繰り返し確かめている
- 自分なりのルールを探している
そんな「思考の芽」が見えてきます。
観察メモは、
「今日は何をしてあげた?」ではなく、
「今日はこの子が何を確かめていた?」
という視点で1日を振り返るための、小さな窓でした。
忙しい日でも続く「1行だけ観察メモ」のやり方
1. タイミングは「寝る前の3分」で十分
ノートやスマホのメモに、寝る前に1行だけ書きます。
写真がなくても、記憶の中のワンシーンで大丈夫です。
ポイントは、その子の視線の先・手の動き・表情など、
「何をしていたか」よりも「どう確かめていたか」に注目して書くこと。
2. 評価ではなく「実況中継の言葉」を使う
観察メモには、なるべく評価の言葉を入れません。
- ◯:「何度も同じ段差を行ったり来たりしていた」
- ◯:「音が変わるたびに、スピーカーの方向をじっと見ていた」
- ✕:「ちゃんと遊べていてえらい」
できた・できない ではなく、
「どんなふうに試していたか」をそのまま書き留めておくイメージです。
3. できない日があっても気にしない
正直なところ、毎日きっちり続けるのは難しいです。
書けない日があっても、「それも含めて今の生活」と受け止めます。
数日に一度でも、1週間に1〜2行でも、
あとで見返すと、その時期ならではの「探究のテーマ」が浮かび上がってきます。
観察メモがくれる3つのギフト
1. 「できごと」ではなく「プロセス」が見えてくる
観察メモを続けると、子どもの行動の中にあるプロセスが少しずつ見えてきます。
- まず遠くから全体を見る
- 気になる部分に近づいていく
- 同じ動きを何度も繰り返して確かめる
この繰り返しこそが、探究のプロセスそのものです。
2. 親の「自己肯定感」が少し楽になる
「今日は何もしてあげられなかった」と感じる日でも、
メモを見返すと、
- あのとき、ちゃんと見守っていたな
- 声をかけずに待てたな
と、自分の関わりをそっと肯定できる瞬間があります。
観察メモは、親自身の自己肯定感を支えてくれる記録でもありました。
3. 後から「探究の流れ」が見えてくる
数週間分を並べてみると、
- 最近は「色の違い」によく気づいている
- 音の方向や強さに敏感になってきた
- 段差や坂道など「高さの違い」にハマっている
など、その時期ならではの探究テーマが見えてきます。
それは、将来の記事や観察の振り返りにもつながる、大切なデータです。
おわりに──完璧じゃない記録でいい
0歳からの探究育児は、特別な教材や立派なアルバムがなくても始められます。
今日の数分、子どもの「なぜ?」に寄り添ってみる。
そして、寝る前にそっと1行だけ書き留めてみる。
その小さな積み重ねが、
子どもの世界を見つめる親のまなざしを、静かに育てていきます。
Inquire from Zero は、
0歳からの“探究する育児”をテーマに、
観察・対話・ことば・暮らしの工夫をゆっくり綴っていく場所です。
今日も、ほんの5秒。
そのまなざしが、子どもの世界をふわっと動かします。
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